H19.3.2現在
会派名 |
|
返還日 |
返還額 |
返還対象 |
|---|---|---|---|---|
自民党区議団 |
1 |
H16.1.13 |
\313,286 |
バー・クラブ・ライブハウス等での遊興費7件 |
2 |
H18.11.30 |
\11,278,204 |
すし、居酒屋、しゃぶしゃぶ、焼肉店などでの飲食費351件 |
|
3 |
H19.1.22 |
\2,107,510 |
築館元幹事長による偽造領収書による架空請求分63件 |
|
4 |
H19.1.25 |
\1,134,481 |
原雅美区議による家族旅行費等29件 |
|
5 |
H19.3.2 |
\16,929,064 |
平成17年度までの飲食費、交通費、資料代等831件 |
|
6 |
H19.3.2 |
\854,210 |
平成18年度の飲食費、交通費、資料代等28件 |
|
小計 |
\32,616,755 |
|
||
公明党区議団 |
1 |
H19.3.2 |
\14,544 |
ミステリー小説等の購入費11件 |
小計 |
\14,544 |
|
||
品川区民連合 |
1 |
H19.3.2 |
\221,655 |
政治資金パーティー費等9件 |
小計 |
\221,655 |
|
||
|
総額 |
\32,852,954 |
|
|
品川区の区会議員には、毎月の給料(歳費と呼ばれています)として月額61万円余りが支払われていますが、そのほかに、議員が結成する会派に対し「区政に関する調査研究」のための費用が支給されています。それが政務調査費と呼ばれるもので、品川区では年4回にわたり会派の所属議員数に応じた額が支給されています。支給額は、所属議員あたり月額19万円です。
政務調査費は、「区政に関する調査研究」のためにのみ使うことが許され、目的外使用がなされた場合、会派と会派代表者は区長に対して金額を返還しなければならないと条例において定められています。また、会派に交付されたものの使用されなかった調査費についても、返還が義務付けられています。
品川区では、平成13年4月から、政務調査費の使用状況について領収書を添付して収支報告書を提出することが義務付けられました。
収支報告書においては、「研究費」「研修費」「会議費」「資料費」「広報活動費」「事務費」「人件費」の項目ごとに使用金額の合計額が報告されますが、現状では個々の使用内容についての報告はありません。
そのため個々の使用状況は、報告書に添付して提出された領収書から推測するほかありませんが、領収書からは政務調査費がどのような使途に使われているのかをかなり具体的に知ることができます。
品川区民オンブズマンの会では、平成13年4月以降、各会派から提出された領収書を情報公開請求によって入手していますが、それによって政務調査費が議員の「ポケットマネー」のごとくに使用されている実体が明らかになりました。
政務調査費がバーやキャバレーにおいて使われていた!
自民党区議団においては、政務調査費(平成13年度)が東京六本木のクラブや銀座のキャバレーなどで使用されていました。さらに、カラオケスナックでの度重なる支出、すし・割烹店・しゃぶしゃぶ店などの高級料理店での支出、はたまた居酒屋やビヤガーデンでの支出など、飲食経費に対する政務調査費の支出は自民党区議団だけで2年間で350件以上にのぼっていました。
政務調査費の多くが飲食費に支出されている現状は、自民党区議団以外のいくつかの会派でも似たり寄ったりでした。
総支給額 |
総支出額 |
会派人数 |
議員1人あたり |
飲食費総額 |
議員1人あたり |
飲食費の占める割合 |
|
自民 |
29,640,000 |
29,888,163 |
13 |
2,299,089 |
9,016,963 |
693,613 |
30.17% |
公明 |
18,240,000 |
18,261,389 |
8 |
2,282,674 |
4,100,999 |
512,625 |
22.46% |
共産 |
18,240,000 |
18,248,155 |
8 |
2,281,019 |
368,933 |
46,117 |
2.02% |
合同 |
13,680,000 |
11,767,225 |
6 |
1,961,204 |
141,333 |
23,556 |
1.20% |
民主区民 |
11,400,000 |
11,429,573 |
5 |
2,285,915 |
2,472,722 |
494,544 |
21.63% |
区民クラブ |
4,560,000 |
4,565,852 |
2 |
2,282,926 |
0 |
0 |
0.00% |
95,760,000 |
94,160,357 |
- |
- |
16,100,950 |
- |
17.10% |
これほどの飲食費が政務調査のために必要になるとは、誰が考えてもおかしなことです。
さらに、政務調査費が日常的にタクシー代のために使われていることも明らかになりました。こうした使用実体をさらに明らかにして、目的外に支出された区民の税金の返還を求めるため、品川区民オンブズマンの会では平成14年4月に住民監査請求の申立をおこないいました。
平成14年7月23日、区民4名が申立人となって、品川区の監査委員会に対し、自民党区議団が平成13年度に支出した政務調査費のうち「研究費」名目で支出された飲食費208件620万円余について監査請求をおこないました。
ところが、監査委員会は、「請求人の主張する違法性・不当性は請求人の主観を述べたものにすぎない」として、監査すら実施しませんでした。
このため、平成14年8月30日、住民4名が原告になって、自民党区議団の代表者に対し、目的外使用金620万円あまりを品川区に返還するよう求める住民訴訟を東京地方裁判所に提起しました(第1次住民訴訟)。
この訴訟では、裁判所から被告に対し、政務調査費の具体的な支出状況を明らかにするよう繰り返し釈明がなされました。被告は、最初、なかなか裁判所の求めに応じようとしませんでしたが、提訴後1年あまりを経過した平成15年7月になってようやく、各支出について通り一遍の説明をおこないました。その説明は、例えば、銀座のキャバレーでの支出について、「政調会・第1部会・区民調査会」が「産業振興・景気動向調査研究」をおこなった際の支出であるとだけ説明するものでした。また、六本木のクラブについては「都連青年部・青年局城南ブロック意見交換」の場で「都市空間のありかた」が話し合われたとの説明がけがなされました。
こうした説明のおかしさは歴然としていましたが、われわれは政務調査費の使途のおかしさを広く知ってもらうためにも、いち早く判決を受けたほうが得策と判断し、違法性が一見明白な支出項目7件29万余に返還請求を絞り込んだうえで判決を求めることにしました。ところが、被告は、審理終結の直前になって、絞り込まれた請求対象額全額を区に自主的に返還し、裁判所に原告の請求の棄却を求めたのです。
判決(1.91MB)
判決では、訴訟の対象額がすでに返還されたことを理由に請求こそ棄却されましたが、判決文のなかで政務調査費の支出が違法であることが明確に認定されました。
「上記の事実によれば、本件各支出がされた場所は、女性店員による接客がおこなわれるか、大きな音響が常に響いているかのいずれか又は両方に該当するものであり、それに加え、前記各号証の写真により認められる各店舗の外観等をも考慮した場合、上記(1)で認定した各会合を開催し、各記載の内容の意見交換や会議を行うにはそぐわないものであるばかりか、通常は遊興のみを行う場所であることが一見明白である。・・・そうすると、本件支出が行われた場所は、いずれもそれが行われた目的には到底そぐわない場所であるといわざるを得ず、その場所と目的との乖離があまりに大きいことにかんがみれば、現に区政に関する調査研究に用いられたことを示す具体的な主張立証がされない限り、本件支出は政務調査費の目的外のものであったと推認すべき…」
訴状(167KB)
第2次住民訴訟
この判決の3日後、新たに区民4名が申立人となって、自民党区議団が平成13年度の研究費と会議費、平成14年の会議費と研究費として支出した飲食費351件769万円余について、監査請求をおこないました。
ところが、監査委員会では、平成13年度分について期限経過を理由に監査を実施しませんでした(この解釈が間違っていることは後の住民訴訟のなかで品川区自身が認めました。また、監査をおこなった平成14年度分についても、支出の内容に立ち入って検討することもなく、「時間・場所を問わず多様な活動をおこなう必要性が存することも理解できる」として監査請求を棄却しました。
そこで、平成14年7月6日、品川区と被告として、自民党区議団らに対して769万円余の返還を請求することを求める住民訴訟を東京地方裁判所に起こしました。
この住民訴訟においては、品川区民オンブズマンの会のメンバーが手分けして支出先の飲食店(計151件)を訪問し、店の概観を写真におさめ、店のメニュー表やインターネットで探し出した資料を付して、裁判所に報告しました。報告書には店ごとに説明をつけて、いかに会合に不向きな場所であるかを裁判官にわかってもらうよう努めました。これに対して、被告(品川区議会事務局長)は、裁判所から釈明を受けても、各支出の内容を明らかにしようとせず、「調査権限がない」との答弁に終始しました。
こうして裁判は平成18年2月21日に審理をおえ、4月14日の判決となりました。
判決(4.30MB)
裁判所は、それぞれの支出内容ごとに飲食する必要性があったか否かを検討したうえで、すべての飲食費の支出について目的外支出であるとして、請求していた769万余の全額について自民党区議団らに対して返還請求をおこなうよう命じました。
例えば、居酒屋・ビヤガーデンについては「これらの店舗は、通常、顧客が飲酒を伴う食事をし、歓談に興ずる場所として利用されており、その性質からみて、社会通念上、「区政に関する調査研究」のための会合をおこなうに適切な場所とはいえないことは明らかである」と支出の必要性を否定し、目的外支出であると認定しています。
さらに判決では、被告が支出内容を調査することについても、「政務調査費の適正な使用の確保の見地からは必要なことというべきであり、それが、会派又は会派に属する議員の適正な活動を不当に阻害したり、萎縮させたりするものということはできない」として、被告側の姿勢を批判しました。
東京地裁判決に対して品川区が控訴。住民訴訟の舞台は東京高裁に移されました。
7月24日の高裁での第1回期日において、品川区自民党区議団が被告品川区を補助するために審理に参加し、「個々の支出内容について陳述書で詳細を明らかにしたい」と述べました。しかし、この日に区議団側から提出されたのは、351件の支出のうち20件について支出内容を説明する陳述書だけ。しかもこの陳述書は高裁の審理期日の当日になっていきなり提出されたものでした。
審理の場で補助参加した区議団は、「追加の陳述書を提出したいので準備のために数ヶ月いただきたい」と求めましたが、裁判所はこの申し出を認めず、「提出書類は8月中に出すこと。次回に審理を終えて終結する」と宣告しました。審理のなかでは、裁判官が「1審判決後今日に至るまで一体何をやっていたのですか」と区議団側をたしなめる場面もありました。
8月下旬、区議団から351件の飲食経費の内容を説明する陳述書が提出されました。そこでは、どの議員がどのような目的で飲食をおこなったのか、について一応の説明がなされています。
かなりの分量の陳述書です。しかし、なぜ関係者との会合を飲食店でおこなわなければならなかったのか、という肝心の点については全く弁明がありません。調査研究のための会合をわざわざ居酒屋や寿司店などの飲食店でおこなおうとする人はどこにもいません。そうであれば、飲食店で打ち合わせをおこなう必要性がどこにあったのか、という点についてまず説明すべきだと思いますが、肝心要のその点の弁明が一切なされていないのです。
さらに、区議団から提出された陳述書からは、政務調査費が無造作に議員の飲食経費に支出されている実態が明らかになりました。
平成13年度1年間の飲食だけに限っても、一番多い議員の飲食回数はなんと123回にものぼっています。自民党区議団の所属議員12名(当時ほとんど実働していなかった1人の議員を除く)の平均で見ても、年間の飲食回数は84回にのぼっています。3〜4日に一度は政務調査費で飲食をしていた計算になりますが、それほど頻繁に「区政に関する調査研究」のために飲食が必要になるとはとても思えません。
さらに陳述書からは、寿司店からワインバーへの「はしご」がおこなわれた例、高級ホテルのレストランでの豪華飲食、新宿の超高層ビルの最上階層でのレストランでの飲食などなど、庶民からすればまさに「うらやましい」限りの支出実態も明らかになりました。
さらに、こんな例もありました。
区議団では、平成13年の後半のわずか半年の間に品川区内の「駅前放置自転車の現地視察」を8回おこなったとしています。しかし、そのたびにカラオケバー、パブ、割烹店、寿司店などで多額の飲食を繰り返していたのです。
平成13年7月15日 |
大森駅周辺調査 |
ヴォネット |
21,000円 |
平成13年7月15日 |
大井町駅周辺調査 |
銀座香林 |
14,416円 |
平成13年7月24日 |
大井町駅周辺調査 |
蒲焼割烹宮川 |
5,040円 |
平成13年7月26日 |
大森駅周辺調査 |
パブロンシャン |
26,700円 |
平成13年7月30日 |
目黒駅周辺調査 |
だいろ |
28,000円 |
平成13年10月7日 |
戸越公園駅周辺調査 |
万漁 |
10,000円 |
平成13年10月21日 |
大井町駅周辺調査 |
玄海鮨 |
4,990円 |
平成13年11月26日 |
大井町駅周辺調査 |
しゃぶしゃぶ甍 |
40,598円 |
| 以上合計150,744円 |
|||
とくに、上から4番目にあげたパブは、若い女性がつききりで接待する店ですし、一番上の店も女性店員が接待するカラオケバーです。放置自転車問題での現地調査は結構ですが、駅前から区役所まで戻っても30分もかからないはずです。それなのに、なぜ「視察」のたびに駅周辺で飲食をおこなわなければならないのでしょうか。
ほかにもこんな例がありました。区議団では、「予算委員会審議のための打ち合わせ」として区役所周辺の中華料理店、焼肉店での飲食を連日のようにおこなっていたこともわかりました。
平成14年2月21日 |
香楽飯店 |
14,340円 |
平成14年2月26日 |
香楽飯店 |
61,480円 |
平成14年3月1日 |
焼肉大盛苑 |
39,396円 |
平成14年3月5日 |
うなぎ藍の家 |
28,040円 |
平成14年3月7日 |
中華軽食こみや |
20,000円 |
平成14年3月8日 |
香楽飯店 |
53,240円 |
平成14年3月11日 |
あかね |
28,500円 |
平成14年3月13日 |
焼肉大盛苑 |
22,711円 |
平成14年3月15日 |
香楽飯店 |
22,170円 |
以上合計289,877円 |
||
中華料理店や焼肉店で数万円の飲食をしたとすれば、当然ながらアルコール類も注文したはずです。こうした飲食のどこが「政務調査」なのでしょうか。区議団の「政務調査費の予算を消化するための打ち合わせ」といわれてもしかたがないのではないでしょうか。
まだまだ驚いたことはたくさんありました。残念ながら詳細をこの場で紹介することはできませんが、われわれオンブズマンの方ではこうした問題を逐一指摘し、それを反論書面にまとめて裁判所に提出しました。
9月11日の審理期日では、われわれの方が裁判所に対して「さらに反論を尽くすため審理を1回延長して欲しい」と求め、裁判所もそれを認めてくれました。
高裁の3回目の期日、この期日までの間に、陳述書に関する重大な問題が浮かび上がりました。それは、テレビ朝日「スーパーモーニング」の報道取材などを通じて、区議団が提出した陳述書には明らかに事実に反する記述が幾多も存在していることが判明したのです。
虚偽記載の例をいくつかあげてみます。
平成13年9月19日の中華料理店「銀座香林」における飲食支出53,445円
この支出について区議団提出の陳述書では「海外調査に同行する(した)大学教授との会合の際の費用である」と説明されています。しかし、同教授に対して問い合わせをおこなったところ、「(会合に参加したことは)ない」との回答書が届きました。陳述書においては、「アメリカの事情に精通している教授から調査先にテロの心配の有無などの事情を伺い、対応についての討議が行なわれました。会議が長時間に及んだこと、教授が引き続き、議論に参加していただけるということで、場所を移して討議を継続した際の支出です」と絵に描いたような説明がなされていますが、これらは全くの作り話だったのです。
平成13年7月16日の割烹料理店「はな月亭」における飲食支出10,319円
この支出について陳述書では、「都立広尾病院を視察し、同病院の関係者を講師に勉強会を行なったが、引き続き昼食を兼ねて会議を継続したいとの会派の要望に病院関係者が快く応じ、近隣の同店にて会食した」とされています。ところが、われわれが都立広尾病院に事実関係を確認したところ、同病院からは、品川区議による視察が行なわれた事実は「記憶にない」との回答が書面でありました。
平成13年12月26日の居酒屋「万漁」における飲食支出10,000円
この支出について陳述書では、戸越公園のトイレの修復工事の状況を「町会役員の方と一緒に確認」し、その際、「町会役員の方から今後の戸越公園周辺の防犯対策について、懇親会を兼ねて検討したい旨の申し出があり、町会役員が予約した同店で意見交換を行った」と説明しています。しかし、われわれが当時の町会長さんに事実関係を確認したところ、町会長さんからは「当日は元品川区長の通夜があり町会の役員はその手伝いで大忙しでした。戸越公園の件で区議の視察などありませんでしたし、もちろん区議さんと会食を行なった事実も全くありません」との明快な返答がありました。元区長の通夜となれば区議さんらも参列したはずで、その晩に公園のトイレの修復状況の調査をおこなうはずもありません。
平成14年3月28日のかに料理店「かに道楽」上野店における飲食支出14,320円
この支出について陳述書では、台東区議会議員と「区関係者」2名とともに上野公園のホームレスの状況を視察し、視察後に本件店舗において区会議員及び区関係者と共に意見交換を行なった、としています。上野公園のホームレスの調査ですから、「区関係者」というのは台東区の関係部署の職員を指していると思われませんが、われわれが台東区に事実関係を確認したところ、台東区生活援護課(ホームレス関係業務を担当)から「このような視察が行なわれた事実はない」との回答書が届きました。台東区では品川区議との会食に同席した事実も否定しています。
平成13年9月20日の中華料理店「芳楽」における29,000円の飲食支出
この支出につき陳述書では、中央環状品川線の事業計画に関し、事業関係者を招いて八潮地区の住民の代表者らと「説明会及び意見交換会」を行なったときのものである、としています。そこでは、会合はもともと八潮の集会場で行なわれていたが、「借りた集会場の閉館時間になり」「地域関係者から懇親を兼ねた意見交換を継続したいとの申し出があり、同店に移動し議論を深めました」ともっともらしい説明がなされているのです。しかし、八潮にある集会場の閉館時間は午後9時30分。これに対して中華料理店のラストオーダーの時間は午後8時30分ですから、「集会場が閉まったので…」という陳述書のような説明はどう見てもありえないのです。「集会場での会合」がそもそも全く行なわれていないか、でなければ集会場での会合は早々と切り上げて本件店舗で飲み食いをした、としか思えないのです。
平成14年4月28日の「鳥ぎん渋谷店」における6,140円の飲食支出
この支出につき陳述書では、「渋谷の日駅前キャンペーン」を地元商店街関係者の案内で視察した際の昼食代であるとされています。この「渋谷の日駅前キャンペーン」は、渋谷区が中心になって実施しているイベントであり、駅前の清掃キャンペーンなどがその主たる内容になっており、例年4月28日に実施されています。しかし、平成14年のキャンペーンは諸般の事情で4月26日に繰上げて実施されており、区議団の視察の2日前にキャンペーンは終了していたことがわかりました。
事実に反する記述は他にも多く見つかりました。われわれは調査資料とともに陳述書の虚偽記載を指摘する新たな反論書面を作成し裁判所に提出しました。区議団はこうした指摘に全く沈黙。3回目の期日には何一つ書面や資料を提出しませんでした。
高裁での審理はこの3回目の審理期日に終結し、判決期日は12月27日に指定されました。
ところが、区議団は判決の直前になって、突如として訴訟で返還を請求されている飲食費の全額と延滞金を区に返還したのです。そのうえで区議団は審理を再開するよう求める書面を裁判所に提出しました。
この返還は何の前触れもなく突然おこなわれ、われわれオンブズマンもこれにはびっくりしました。ただ、区議団は前回の訴訟でも同じことをおこなっていました。前回の住民訴訟(第1次住民訴訟)でわれわれ区民オンブズマンは、バー、クラブ、キャバレーなどで政務調査費として支出された約30万円の飲食費の返還を求めましたが、この訴訟の1審での審理終結の直前になって区議団は返還請求額の全額を区に返還し、住民側の訴えを請求棄却するよう裁判所に求めたのです。このため、判決の主文は「請求棄却」となったのですが、判決文の中では支出の違法性が明確に認定され、判決文のなかには区議団の対応を遠まわしにですが批判する文章まで盛り込まれる結果となりました。ただ、それにもかかわらず区議団は判決後、「われわれの主張が裁判所に認められる」というコメントを恥ずかしげもなく発表したのです。
ただ、今回の住民訴訟は請求額が800万円近い金額です。このため、まさかこのようは突然の茶番劇が繰り返されることはないとわれわれは楽観していたのですが、この「まさか」が現実化したのです。
しかし、いままで「支出はすべて正当におこなわれた」と主張してきたのに、なぜ判決の直前になって手のひらを返したような行動に出たのでしょうか。目的外に支出した金額を返還するだけで事が終わりになるはずはありません。区議会議員として、個々の支出の内容について区民に説明し、間違った支出をおこなったのであればその責任を明確にすべできはないかと考えます。何しろ、バーやキャバレーでの支出にまで政務調査費を使っていたのですから。
われわれは裁判所に対し、「審理が終結している以上予定どおり判決を下されたい」とする書面を提出しています。
品川区では、これまで区議会議長の「訓令」という形で政務調査費の使途基準を定めてきました。しかし、従前の使途基準においては、研究費、会議費などすべての支出項目にわたって「飲食費」が支出内容として掲げられています。この使途基準を根拠にして自民党区議団は「政務調査費を飲食費に支出することは許される」と主張してきました。
こうした使途基準についてわれわれ区民オンブズマンの会では、「使途基準の定めそのものがおかしく、区民の常識からあまりにもかけ離れているし、目的外の支出を明確に禁止している区条例の趣旨にも合致していない。」とその不当性を指摘して来ました。
政務調査費に対する世論の風当たりがますます強まるなか、品川区議会もようやくこの使途基準の見直しに踏み切り、「飲食費」はすべての支出項目から姿を消すことになりました。同時に、区条例のなかに、「会派は、前項の使途基準を遵守し、政務調査費を区政に関する調査研究に資する必要な経費以外に充ててはならない。」との条項を盛り込み、使途基準に違反する支出を明文で禁止しました。これによって、飲食費は一応政務調査費の使途から姿を消すことになりました。
われわれ区民オンブズマンとしては、区議会がこうした条例改正に踏み切ったことは、遅まきながらではありますが「一歩前進」ではないかと思います。政務調査費に対する議員の意識も確実に変化しつつあるように思います。といっても、区民の目からすれば、政務調査費の飲食費支出の禁止はあまりにも「あたりまえ」のことであって、いままでの使途基準がおかし過ぎたのではないかと思っています。
飲食費のほかにも、政務調査費についてはタクシー代への無造作な支出など多くの問題が残っています。われわれ区民オンブズマンとしては、こうした問題を是正していくためには、少なくとも以下の2点を実現することが必要ではないかと考えます。
1条例において個々の支出の内容についての報告を義務付けること
現在の品川区の政務調査費の支給の仕組みでは、個々の支出に関する領収書こそ提出されますが、誰がどのような目的でその支出をしたのか、についての報告は一切なされません。
これでは政務調査費の支出の透明性をはかることはできません。
区民が情報公開にとって個々の支出内容を知ることができるようにするためは、個々の支出の内容を具体的に報告することを義務付けることが不可欠です。政務調査は区民の税金をつかっておこなう調査研究なのですから、その内容を報告すべきは当然のことではないでしょうか。
2支出内容につき、議会外部の者を交えた何らかのチェック機関を設けること
また、政務調査費の個々の使途についてチェックする仕組みとして、議会外の第三者が加わった審査会などを設置することが必要であると思います。すでに都内では千代田区においてこうした制度が存在しますが、品川でも議会内部の常識にとらわれずにいわば素朴な感覚で政務調査費の使途をチェックする体制をつくることが不可欠であると思います。
自民党区議団の全額返還を受け、高裁は審理を再開しました。
この日の審理では品川区と自民党区議団の双方とも「すべての飲食支出が目的外であった」ことを明確に認めました。
12月7日の記者会見の場で自民党区議団は、「これまでの政務調査費の使い方について誤りがあったとは考えていません」と言っていたはず。それなのに、この日の審理で区議団は全面的に誤りを認めたのです。しかし、相変わらず謝罪めいた言葉はありません。区民からすれば、あきれた「二枚舌」というほかありません。
こうした経過を経て、高裁の審理はこの日再び審理を終結しました。
東京高裁は「本件各支出が目的外支出にあたることは当事者間に争いがない」として、支出金について1審判決と同じく自民党区議団に返還義務があることを確認しました。ただし、「本件各支出がされたことによって品川区が被った損害は、既に填補された」として、原告住民の請求を棄却するという結論になりました。
判決の内容は多少わかりにくいですが、要するに高裁も支出金全額を全額返還すべきとしている点は1審判決と同じで、実質的にはわれわれ住民側の請求を全面的に認める内容なりました。
また、高裁判決では、訴訟費用についても品川区が負担すべきものとしました。
平成18年の年の瀬は、品川区の自民党区議団による政務調査費の不正使用問題が新聞やテレビを連日騒がせる問題へと発展しました。マスコミ独自の調査によって、次々に政務調査費のあまりにずさんな使用実態が明らかになっていきました。
1 偽造領収書による架空請求!
自民党幹事長である築館武雄区議が、区内の書店及び文具店から入手した白紙の領収書に勝手に架空の金額と日付・あて先を記入して政務調査費を取得していたことが判明。偽造された領収書は5年間で総計76枚。同議員が不正に取得した政務調査費は計207万円にものぼっていたことが、1月18日の新聞報道により明らかになりました。
違う店の領収書なのになぜか似た筆跡で日付やあて名が記入されている例は、われわれが情報公開で入手した領収書のなかにも多数存在しています。このため、われわれも議員が領収書に勝手に記入しているのではないかという強い疑念をかねてより抱いていました。しかし、会派の幹事長自らが領収書を偽造して支出をでっち上げていた、というのは、われわれオンブズマンの想像をはるかに上回るニュースでした。
2 政務調査費による家族での温泉旅行!
自民党の原雅美区議は、妻と娘を同伴して福島・山形の温泉地で宿泊。その旅行代金17万円余を政務調査費から支出していたことが、テレビ報道などで明らかになりました。さらに、原区議による政務調査費の私的旅行はこれにとどまらず計18件、支出総額は140万円以上にのぼっていたことも明らかになりました。
3 政務調査費によるポルノ小説の購入!
さらにわれわれを仰天させたのは、「自民党区議団が提出した領収書のなかに官能小説を購入した際の領収書が混ざっていた」というマスコミ報道です。2月20日の朝日新聞の記事によれば、政務調査費で購入された本は、「蒼い炎」と「眩暈」という文庫本で、「蒼い炎の表紙カバーには、胸元をあらわにした若い女性の姿が描かれている」とのことです。さらに、幼児向けの本や「英熟語ターゲット1000」という本も政務調査費で購入されていました。
バーやキャバレーで「政務調査」することではまだ飽き足らず、ポルノの世界も「調査研究」ということでしょうか。さすがにここまで来ると「世も末」というほかなく、われわれオンブズマンの方がクラクラと眩暈に襲われそうです。
4 どこまでも続く政務調査費の不正使用問題
政務調査費の不正使用は、自民党区議団ばかりでなく他の会派でも次々に明らかになっていきました。以下はその一例です。
自民党の築館武雄区議による領収書の偽造の問題について、われわれ区民オンブズマンの会は、3月1日、東京地検に有印私文書偽造などの罪で刑事告発をおこないました。
多方面から強い批判をあびた自民党区議団は、1月25日、「政務調査費の適切な運用に向けた具体的な仕組みができるまで政務調査費の支出を凍結する」と発表しましたが、その後会派内で「不適切使用」について取りまとめ作業をおこなってきました。その結果、768件、総額1367万6125円の「適切でない」支出があった、として、延滞金を含め1778万3274円を区に返還しました。
これが自民党区議団が「不適切使用した」政務調査費のリストです。
このいつ終わるとも知れない長大なリストを見ていると、政務調査費が完璧に議員のポケットマネー化していることを実感していただけると思います。
この3月2日、公明党区議団も「資料代」としてミステリー、スパイ小説、刑事ものDVDを購入していた、として11件の支出金と延滞金の合計1万4544円を区に返還しました。
また、同じ日、区民連合も政治資金パーティーやスナックでの支出9件について22万1655円を区に返還しました。
平成19年3月29日 公明党区議団が政務調査費として支出した旅行費用(2177万8366円)について住民監査請求を申立
政務調査費の不正使用の問題は飲食代だけではありません。われわれ区民オンブズマンとしては、自民党の原区議の例でも明らかになったように、旅行費用の多くも不正に使用されているのではないかとの強い疑念を抱いています。自民党が3月に返還した「不適切使用」のリストの中にも、タクシー代、高速料金、観光バスの貸切料金、数十万円の高額旅行代金などが混ざっています。
このため、オンブズマンの会では政務調査費による旅行という問題にスポットをあて、各会派の領収書をチェックしました。
そのなかでひときわ目を引いたのが公明党区議団の領収書でした。
公明党区議団(当時8名)が平成13年度から17年度の5年間に旅行関連の費用として支出した政務調査費の総額はなんと約2180万円。
しかもその行き先は、領収書から判明するものだけに限っても、以下のとおり北海道・東北・九州などの遠隔地がズラリと並んでいます。
・北海道 19回
・東北 23回
・上信越 14回
・東海(伊豆を含む) 11回
・北陸 10回
・中部(愛知岐阜) 8回
・京阪神 21回
・中国(岡山広島) 11回
・四国 6回
・九州 10回
・沖縄 2回
これらの「視察」先では、名所旧跡、資料館、博物館などの観光施設での「視察」が非常に頻繁におこなわれており、なかには京都の太秦映画村や鳴門海峡の渦潮観光船の領収書まで混じっていました。北海道では、人気の旭山動物園を「視察」した次の日に、小樽の水族館にはしごしたという例まで見つかっています。もちろん、旅行先における郷土料理や名物料理などの飲食代金、さらに土産品の菓子代金まで政務調査費で支出されています。
これは、ただの観光旅行か慰安旅行ではないの? これが領収書に接したわれわれオンブズマンの率直な感想です。
このため、われわれ区民オンブズマンの会では新たな住民監査請求を起こすことになりました。
2002年 |
7月 |
政務調査費監査請求 |
|---|---|---|
8月 |
監査請求棄却 第1次住民訴訟 |
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11月 |
第1回口頭弁論 |
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2004年 |
2月 |
第10回口頭弁論 |
4月 |
地裁判決
新たに政務調査費違法支出監査請求 |
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5月 |
監査請求陳述聴取 |
|
6月 |
監査請求棄却 |
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7月 |
第2次住民訴訟 |
|
9月 |
第1回口頭弁論 |
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2005年 |
5月 |
第6口回頭弁論 |
7月 |
第7回口頭弁論 |
|
9月 |
第8回口頭弁論 |
|
10月 |
第9回口頭弁論 |
|
12月 |
第10回口頭弁論 |
|
2006年 |
2月 |
第11回口頭弁論 |
4月 |
判決 |